■得点力を上げるにはどうすれば良いか?長嶋巨人のように大砲をそろえるのが良いのか、
それとも犠打を多用する細かい野球が良いのか。
1997年から2004年までのセパ12球団のチームデータを用いて検証する。(データ総数96、得点圏打率のみ60)
(相関係数とはデータ間の因果関係を見るための指標であり、1に近いほど2つのデータ間の関連性が強いことを表す。)
相関係数は、OPS(出塁率+長打率) > 得点圏打率 > 打率 > 出塁率
> HR > 盗塁 > 犠打 となった。
相関係数が+1に近いほど、得点力と強い正の相関がある。
上位打線に出塁率やOPSが高い打者を置くのが合理的であることがわかるだろう(阪神では鳥谷)
興味深いのはHRよりも、出塁率の方が、相関係数が大きいことである。
四球を選べる打者(阪神では鳥谷や藤原、庄田)はもう少し評価されてもいいのでは。
犠打についての相関係数は負の値となった。これはバントの有効性についてで、
期待値の計算から予想される通りの結果となった。
しかし、犠打よりもヒットなどの他の要素の得点への影響力が大きすぎるために、
犠打の得点への影響を調べるにはこれだけでは不充分である。
そこで得点への相関が最も強いOPSを固定して(OPSが同程度のデータを集める)犠打と得点の
相関性を調べた。
■OPSを固定して、犠打と得点の相関性を調べる
OPSと得点についての回帰直線は y = 1790.3 x - 724であった。
OPSが0.009異なると得点は、16.1異なる。
従ってOPSの差を最大0.009とすると最大の誤差は16.1となる。
チーム得点は平均650程度なので、許容範囲であると考える。
OPSの影響を除外しても、犠打と得点には相関性は無かった。犠打+犠飛+盗塁に関しても同様の結果であった。(結果は略)
従って得点力を上げるためには、犠打や盗塁を多用しても意味がなく、
OPSや出塁率の高い打者を上位に揃えるのが一番の方法であろう。
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